20155.15(FRI) TOPICS

高木三四郎CEOインタビュー!2団体経営者としての現在の心境、そして今後の展望とは!?

高木三四郎CEOインタビュー!2団体経営者としての現在の心境、そして今後の展望とは!?

5月5日、WRESTLE—1後楽園大会でCEO(最高経営責任者)就任を発表して世間をあっと驚かせた高木三四郎。これまで飯伏幸太のような2団体所属はあったが、この「2団体経営」はもちろんプロレス業界初の事例だ。DDTグループ以外のプロレス団体経営に乗り出すことなった大社長。就任までの経緯と今後のビジネス展望、また今後の両団体の関係性について聞いた。

 

――5月5日、WRESTLE—1後楽園大会でのCEO就任発表は驚かされました。

 

高木三四郎CEO

「基本的にDDTの代表取締役社長との兼任になります。武藤社長はリング上で「WRESTLE-1をこれからますます飛躍するために招き入れることになりました」と言っていましたけど、WRESTLE-1の経営をすべて任されました」

 

――職務はどのような内容でしょうか?

 

高木三四郎CEO

「各シリーズの大会スケジュール作成、大会運営企画、大会運営にまつわる経費の調整、渉外などCEOとして、WRESTLE-1の経営すべてにおいて関与していきます」

 

――こういう話が来るとは思わなかったですか?

 

高木三四郎CEO

「まったく思わないですねえ。今までWRESTLE-1の経営をやられていた方が諸事情で離れてしまって、武藤社長も困っていろんなところに声をかけたけど、どうにもこうにもいかなくなって、僕のところにこの話がきたという訳でして」

 

――このオファーをもらったときはどう思いましたか?

 

高木三四郎CEO

「こんな話ってあるんだなあと」

 

――DDTとWRESTLE-1自体、あまり接点がなかったですからね。

 

高木三四郎CEO

その中でこのようなお話をいただいて、大変光栄なことじゃないですか。これまでのDDTの経営手腕を見込まれたわけですからね」

 

――選手としてではないという事ですか?

 

高木三四郎CEO

「選手として登場するつもりはありません。リング上の登場人物、キャラクターという話ではなくて完全に裏方です。最高経営責任者として経営の面で裏からWRESTLE-1を盛り上げます」

 

――これまでWRESTLE-1をどう見ていましたか?

 

高木三四郎CEO

これまた変な話でまったく見たことがなかったんですよ。自分の団体経営で一杯一杯ですし。それでこの話をいただいた時にちょっと考えたいなと思って、4月1日の後楽園大会を見にいったんです。そうしたら面白かったし、お客さんにも熱があったんですね。これなら自分らなりのやり方をプラスして、お互いのいいところをうまく乗せていけば、団体としていけるんじゃないかなという直感があったんです。だから問題がなければやりたいと思って、独自でもっと団体について調べて、数字も見させてもらった上でこれならいけそうだという判断をして、最高経営責任者として入ることになりました」

 

――あくまでCEOとして携わると。

 

高木三四郎CEO

「任された部分は本当に経営だけなんですよ。なのでこれから数字を全部洗い直して、採算ベースに見合った事をやっていきます。経営の基本線はコストを削減して売り上げを増やすことですからね。現状はそのバランスがおかしくなっているので、きちんとしていくということです」

 

――それでもすんなり「わかりました」と引き受けられる話ではないと思いますが…。

 

高木三四郎CEO

その要因の一つなんですけど…最近になってプロレスを辞めたいと思っていて」

 

――急な話ですね。

 

高木三四郎CEO

去年の両国が前売りの段階で完売して、今年2月のさいたまスーパーアリーナも成功して、さらに『劇場版プロレスキャノンボール2014』で映画界にも進出した。自分の中でやりきった感があったんです。2017年の東京ドーム進出を掲げましたけど、今の僕のレベルのままで実現可能なのかなと思っていたんです。もっともっと経営者としてスキルアップするためには違うこともやらなきゃダメなんじゃないかと」

 

――そういう葛藤の中でWRESTLE-1からCEO兼任の打診があった。

 

高木三四郎CEO

「WRESTLE-1は全日本プロレスの系譜、すなわちメジャー団体の系譜を受け継ぐ団体ですからね。僕らはちょっと違う形での団体運営しかしてこなかったので、どういうふうに運営しているのだろうと。それにあることが頭を過って」

 

――どういうことでしょうか?

 

高木三四郎CEO

一時期、FMWコミッショナーだった冬木(弘道)さんがDDTのコミッショナーも兼任していたんですけど(2002年)、冬木さんはDDTがどういうエンターテインメントプロレスをやっているのか見たかったらしいんです」

 

――冬木さんは冬木さんでDDTからいい部分を吸収しようとしていた。

 

高木三四郎CEO

その事がフラッシュバックしたんですね。だから僕がWRESTLE-1というトラッド(伝統的)な形の団体運営を見た時に、取り入れるものがあるかどうか、もしくはこちらからWRESTLE-1に供給すべきものがあるかどうか、好奇心と興味が沸いてきたんです」

 

――なるほど。

 

高木三四郎CEO

あと…ぶっちゃけた話、飯伏から刺激を受けた部分はありますね」

 

――飯伏選手はDDTと新日本というプロレス業界初の2団体所属選手です。

 

高木三四郎CEO

このオファーを引き受けるかどうか、すごく悩んだ時に4月5日の両国国技館の飯伏がAJスタイルズと闘っているのを見たんです。アイツが2団体所属ですごく頑張っている中で僕はこのままでいいのかなというのは正直ありました。僕はアイツにはなれないけど、僕は僕なりのやり方でアイツ以上の働きをしてやろうと。それを見せることによってHARASHIMAや男色ディーノ、DDTの若い連中も感じることがあるだろうし」

 

――DDTの選手の名前も挙がりましたが、DDTとWRESTLE-1の団体間の交流は生まれてくるのでしょうか?

 

高木三四郎CEO

今の段階ではまったく考えてないです。例えばウチの飯伏(幸太)とかHARASHIMAがWRESTLE-1に上がって、武藤さんとかKAI選手、浜亮太選手がウチのリングに上がっても一過性のものに過ぎないので」

 

――選手ではなく、高木さんをサポートするスタッフをDDTから連れていく話はあったんでしょうか?

 

高木三四郎CEO

それも言われましたけど、僕は「自分一人でいきます」と。WRESTLE-1の人たちと作らないとWRESTLE-1のカラーは出ないですからね」

 

――今後、どのような展望を考えていますか?

 

高木三四郎CEO

「僕がやりたいのは “武藤一座”なんです。僕が経営者になったことでエンタメプロレス化みたいな見方もあるかもしれないですけど、WRESTLE-1はこれまで通り、武藤さんが培ってきたトラディショナルスタイルのパッケージプロレスをやっていければいいと思います。DDTとリンクさせるつもりはないと言い切ったのはそういう部分もあります。あとは若い選手が多いので5年、10年のスパンで見ていきたいと思います」

 

――武藤社長のカラーを前面に出していく。

 

高木三四郎CEO

「だから武藤さんの名前を使って新規事業も展開していきたい。まずはプロレスの専門学校の創設です」

 

――プロレス学校というのは、かつて闘龍門さんがやられていたり、今はKAIENTAI DOJOが運営していたりしますが。

 

高木三四郎CEO

「ゆくゆくは学校法人化して世にある専門学校にしたいです。基本はプロ養成コースですけど、体を鍛えたい人だけのフィットネスコースも設けたりして。芸能界だって芸人を養成するのに吉本興業さんのNSC(ニュー・スター・クリエイション)を筆頭として、今やいろんなプロダクションが学校を運営しているじゃないですか。こういう事業を積極的にやっていないのはプロレス界だけですよ。あとは海外レスラーを対象にした日本でのレスリングキャンプもやりたいですね」

 

――海外ではレスリングキャンプをおこなっている団体はありますね。

 

高木三四郎CEO

「日本から海外のレスリングキャンプに参加している人もいますけど、多くの海外の選手が渡航費を払ってでも日本のプロレスを勉強したがっている。幸いにして武藤さん、TAJIRI選手といった世界に知られた選手を擁するWRESTLE-1は海外の評価が高いんです。だから、海外向けのFacebookページを作って情報発信して募っていきたいし、このレスリングキャンプが実現すれば、外国人選手だけの道場マッチも可能です」

 

――人材育成が一番のコンテンツになりますね。

 

高木三四郎CEO

「WRESTLE-1にはノウハウとスキルを持っている選手が多いですし、GENスポーツパレスという素晴らしい環境が整っていますからね。これを活かさないのはもったいないですよ。僕らでプロレスの裾野を広げて、業界の発展につなげていきたい」

 

――興行に関してはいかがでしょうか。

 

高木三四郎CEO

「いろいろな諸事情で経営する方がいなくなったことで、今まで地方も撤退せざるを得なかったわけですけど、動かす人間がいれば地方だって回れるようになります。お役に立てるのであれば、地方のプロレスファンも増えているので、その期待に応えたいです」

 

――ビッグマッチは考えているのでしょうか?

 

高木三四郎CEO

「いきなり大きいところより、まずは地に足をつけてやっていきます。まずはこの所帯を養っていくのに興行数が圧倒的に足りない。興行数が足りなければ露出も減っている。売上を増やすため、露出を増やすためにまずは興行数を増やしていきます」

 

――高木社長がWRESTLE-1のCEOを兼ねるということで、DDTは大丈夫なのか!?という声も上がりそうです。

 

高木三四郎CEO

「DDTは今まで通りですよ。僕のスケジュールで言えば朝の10時から昼の13時~14時ぐらいまでWRESTLE-1で勤務して、14時から夜まではDDTで仕事をします」

 

――先ほど、自分の団体で一杯一杯と言っていましたし、さらに輪をかけて一杯一杯になるんじゃないですか。

 

高木三四郎CEO

「でも、もともと午前中は練習する時間に当てていたんで、もっと早く起きれば済む話ですからね。今まで7時ぐらいに起きてジムに行って練習して11時とか12時に出社していたのを5時、6時起床にして。ジムも朝早くからやっていますし、そこでトレーニングをしてWRESTLE-1へ10時に出社する。それでも今までとの差は1時間だけしかない」

 

――時間を有効的に使えば解決すると。

 

高木三四郎CEO

「今までいかに時間を有効活用していなかったかということになるし、自分のスキルを上げるためのことですから。今までと違う環境、さらにメジャーの中身を見ることで自分の中で変化が出てくるかもしれない」

 

――それにしてもDDTグループでもない、2つの団体の経営を兼ねるというのはプロレス業界としても初めてのことです。

 

高木三四郎CEO

「世界や日本の経済社会においてはけっこうザラにあるんですよ。カルロス・ゴーンは日産とルノーという2つの自動車会社のCEOをやったわけじゃないですか。僕はプロレス界のカルロス・ゴーンになりたいし、もう一つ言うならばAKB48とその最大ライバルの乃木坂46のプロデューサを同時に務める秋元康さんのような存在にもなりたい(笑)」

 

――夢は広がりますね。

 

高木三四郎CEO

「プロレス業界もようやくそういう時代になってきたということですよ。僕がその第一人者になれば、もっともっといろんな可能性が生まれてくる。だから武藤社長の感性と期待には応えたいです。これが成功すれば、プロレスの団体経営に新しい形が生まれると思うし、ファンの皆様と一緒にプロレス界をもっと盛り上げていきたい」

WRESTLE-1 OFFICIAL GUIDE