RESULT

　第1試合前に『CRUISER FES』の入場式が行なわれ、ヒート以外の出場選手がリング上に集結した。

　先発のパンテーラは相手の仁木をグラウンドに引きずり込み、メキシカンストレッチでいためつける。続くペガソは立花と感情むき出しのエルボー合戦を展開すると、その場飛びのドロップキックを炸裂させる。さらに続く河野は立花を腕を極めていたぶっていく。
　だが、タッチを受けた稲葉がエルボーで反撃。なかなか倒れない河野をショルダータックルでふっ飛ばしてみせた。稲葉はパンテーラとも渡り合い、仁木にタッチ。一方のパンテーラもペガソにタッチすると、そのペガソは隙きあらば立花を攻め立てる。仁木に対してソバットを決めるも、仁木もドロップキックで反撃だ。
　その仁木は稲葉と立花の援護を受けて、ボディスラムでペガソを攻め立てる。立花のフロントキック、稲葉の延髄斬りも炸裂すると、仁木はバックドロップ。さらにブレーンバスターを狙う。だが、これを踏ん張ったペガソは続いてロープに飛んだ仁木をグラウンドに転がしてクロスフェースに捕獲する。
　ここはなんとか逃れた仁木に対し、ペガソは掌底連打からローリングソバットで追撃すると、変形のみちのくドライバー。ここは立花がなんとかカットしたものの、最後はファイヤーバードスプラッシュでトドメを刺したのだった。

　試合後、マイクを握った稲葉は前回の後楽園でW-1王座を獲られたことに触れ、「次の後楽園で結論を出します」と話すと帰って行った。その後、立花が王座奪回を宣言していると、今度は伊藤が乱入。フライングニールキックを食らわせると、立花を挑発して帰って行った。

稲葉＆立花＆仁木のコメント
稲葉　去年、ベルトを獲り返したんですけど、今度は自分が負けてみんなが大事にしているベルトを流出させてしまったということで、その試合後からいろいろ自分なりに考えて、このままではいけないと思って、一つ結論を出したので、今度の後楽園で出したいと思います。
立花　伊藤、どうしたいんだ、コラ！　タココラ！　あいつ何が目的なんだよ。さんざん欠場していて、俺も人のこと言えねえけど、俺の倍以上休んでいて、あんなふざけた野郎。今はW-1が一致団結しなきゃいけねえって言われてんだ。あいつはやりたいようにやってるだけだ。子供じゃねえんだ、しばくぞこの野郎！
仁木　今日から『CRUISER FES』開幕します。過去のことを振り返るのはよくないかもしれないけど、冬フェスで勝っていれば今日闘えてたかもしれないです。悔しいです。でも、自分も早くクルーザー戦線に絡めるように切り替えてがんばっていきます。

　吉岡に対してのらりくらりの一。場外に出て焦らすものの、リングに戻ると吉岡の強烈なキック攻撃の餌食に。しかし、スワントーンボムを自爆させると、十字架固めで3カウントを狙っていく。
　さらにエルボーアタック、ニードロップを決めるとコンプリートショットだ。しかし、吉岡はミドルキックとシザースキックで反撃。ファルコンアローを仕掛ける。一がこれをスクールボーイで切り返そうとすると、ロープを掴んで踏ん張ってからフットスタンプ。最後はファルコンアロー、S・Kと続けて3カウントを奪った。

吉岡のコメント
「何を言ったらいいんだ？　あいつはやる気があんのか、ないのか？　なぜリングに上がっているのかわからねえな。今度は謎しかねえぞ。よくわかんねえ」

一のコメント
「復帰戦以来の吉岡さんだったけど、次後楽園2回連続で第0試合で、それを直談判して、カズ・ハヤシ社長がシングルマッチだって言ってたけど、まだカード発表されてない。でも、俺は次はカズ・ハヤシとシングルだと思っているから。カズ・ハヤシ社長に俺のことを認めさせる」

　序盤から伊藤はヘッドロックで本田を締めあげていたぶる。しつこくしつこく締めあげる。だが、本田も必死にボディにエルボーを連発。逆にヘッドロックに捕獲する。続いて今度はタックルで攻め込む本田。
　なんとか伊藤をダウンさせたものの、すぐさまブレーンバスターの反撃を食らう。さらにグラウンドでヘッドシザースで締められ、これを脱出してもミドルキックを被弾。そしてキャメルクラッチでもいたぶられてしまう。
　しかし、本田はこれをロープエスケープするとブレーンバスターで反撃。ノーザンライトスープレックスで攻め立て、アバランシュホールドも炸裂させる。しかし、伊藤は続くジャーマンを踏ん張るとニールキックで反撃。バックドロップで叩きつけ3カウントを奪った。

　試合後、今度は先程のお返しとばかりに立花が乱入。伊藤にエルボーを食らわせる。これを伊藤が返り討ちにすると、近藤が救出に入ってくる。そして、「今ここで2人でやってやる」と挑発だ。
　しかし、伊藤はこれを「卑怯だろ」とはぐらかし、近藤から2月12日の後楽園大会でのハンディキャップマッチを提案されると、「俺の師匠にヒールマスターがいっからよ。連れてきてやるよ」と、謎のヒールマスターとのタッグで近藤＆立花と闘うことを宣言したのだった。

立花のコメント
「さっきも言ったようにあいつのやっていることはただのクソガキだ。中学生か？　俺はこういうこと言いたくねえけど、潰した試合を見に来た俺の舎弟共がいるんだから。落とし前つけてやるかよ。2月の後楽園、てめえ首洗って待ってろ、ああ〜ん？」

伊藤のコメント
「征矢いる？　どこ行った？　俺が潰してしもうたからな。さっきの試合、立花と副社長が俺のフラストレーションのはけ口用意してくれたみたいでありがとう。2月の後楽園、ヒールマスターと一緒にあの2人叩き潰してやる」

本田のコメント
「今日、伊藤と闘ったけど、結果残せなかった。もう一回あいつと闘わせてください。その時は俺がボコボコにしてやりたいと思います」

『CRUISER FES』で対戦する竹田と児玉が先発でぶつかり合うと、続いて近藤と芦野が対戦。そして、サイラスと羆嵐が対峙する。羆嵐がタックルで攻め込んでも微動だにしないサイラスは芦野と児玉が救出に駆けつけても、ダブルラリアットで蹴散らし、羆嵐にはボディプレス。一気に羆嵐を追い込んでしまう。
　続く竹田もミサイルキック、近藤も串刺し式ラリアットで羆嵐に攻め込んでいく。しかし、羆嵐は近藤にバックフリップを食らわせると、セントーンを投下。タッチを受けた芦野は俵返しで近藤をぶん投げる。
　続いて再び羆嵐とサイラスが対峙。羆嵐はボディスラムを仕掛けるが、サイラスの重みに圧殺されてしまう。一方のサイラスはロープを飛び越えてセントーン・アトミコを繰り出してみせる。しかし、羆嵐はこれを自爆させると、Enfants Terriblesが一斉に攻め込んでいく。
　そして、児玉がトドメのマッドスプラッシュの体勢に。しかし、これを竹田が食い止めているところで息を吹き返したサイラスが接近。コーナーに上がっていた児玉を捕まえると、デッドリードライブで叩きつけと、最後はリバーススプラッシュで3カウントを奪った。
　試合後、収まらない羆嵐はサイラスに襲いかかり、「サイラスよ、待ちきれねえだろ？　2月12日の後楽園、1vs1だしっちゃかめっちゃかにしてやるよ。覚悟しとけよ」と一騎打ちを要求したのだった。

芦野＆児玉＆羆嵐のコメント
羆嵐　サイラスよ、待ちきれねえだろう？　てめえみてえなでかくて力の強い奴は美味しいんだよ。後楽園まで1カ月あるぞ。今の俺より進化してぶっ潰してやる。てめえをぶん投げて、ダイビングセントーンで仕留めてやるよ。
芦野　あいつは化けもんだな。俺は2月12日に中嶋からベルトを獲り戻す。それは俺しかできないし。中嶋、お前、言ったな。W-1のレスラーもファンもしょぼいって。しょぼいかどうかわかるのは2月12日の後楽園だぞ。まだお前と闘ってねえんだよ。リング上であんなふうに言われてよ、たしかににW-1の選手はおとなしいかもしれないね。でも、2月12日の後楽園でレスラーもファンも一体になって中嶋勝彦を倒しに行くから。俺はファンに期待してるんで。みんなのでけえ声の声援待ってますから。俺は中嶋、クマはサイラス、まだやってないけど……。
児玉　『CRUISER FES』決勝戦。
芦野　Enfants Terriblesが勢いを取り戻すために大事な大会んだと思うので、取り戻しましょう。

『CRUISER FES』1回戦。頓所はゴングと同時にドロップキックで先制攻撃。序盤からヒートを攻め立てる。しかし、すぐに反撃に移ったヒートは頓所を場外に出すと、ヒザを床に叩きつけていためつけていく。
　悶絶する頓所はなんとかリングに戻ったものの、ヒートは容赦なく低空のドロップキックで先程いためつけた左ヒザを狙い撃ち。さらに踏みつけ攻撃、ニードロップを投下するなど、次々とダメージを与えていく。
　なんとかエルボーで反撃に出た頓所だったが、ヒートはすぐさま低空のドロップキックで動きを止める。そして足4の字固めに捕獲し、さらに足にダメージを追加だ。しかし、ここをなんとかロープスケープした頓所はカウンターのキックで反撃。ヒートが場外に落ちたところで、鉄柱から場外に向かってトペ・コンヒーロだ。
　これで流れを掴みたい頓所だったが、足のダメージが大きいのかヒートに一気に攻め込むことができない。一方のヒートは再び低空のドロップキックを食らわせて頓所をダウンさせると、もう一度足4の字固めだ。
　ここもなんとか脱した頓所は依然余裕を崩さないヒートにドロップキックで一矢報いる。そしてトラースキックからジャーマンで投げ飛ばし、ドラゴンスープレックスを狙う。しかし、これでも仕留めることができない。
　ここをしのいだヒートは強烈なキックで反撃。最後はやはり足4の字固め。今度こそ頓所も脱出できず、ついにギブアップ。ヒートが貫禄の準決勝進出を決めた。

ヒートのコメント
「『CRUISER FES』は毎年やってるらしいじゃないですか？　どうせどうでもいいメンバーで、どうでもいい奴が優勝してるんでしょう。よかったじゃん、ヒートを誰が止めるかってテーマができたから。俺を止められる奴は一人もいないから。年末の後楽園で言った通り、当たり前のように優勝するから。『なんだ、最初からヒートをクルーザーに挑戦させておけばよかった』って思うように。ナメんな、W-1！」

頓所のコメント
「今日の一戦は絶対に勝たなければいけなかった。これでまた一から、いやゼロからやり直して、進化して、次はぶちのめすよ」

　因縁のある伊藤と岩石で試合開始。2人が得意とするグラウンドで渡り合う。続いてはカズとアンディが対峙。アンディは軽快に動いて攻め込むと、たまらずカズは場外に逃亡だ。そして土肥と佐山がリング上でロックアップ。
　佐山は土肥を挑発するように張り手を食らわせると、仁王立ちで受けた土肥は逆水平チョップで反撃する。佐山もミドルキックを撃っていくが、これを受けて立った土肥は逆に珍しいミドルキックを炸裂させて佐山をダウンさせてしまう。
　続いて出てきた岩石も佐山に攻め込むが、佐山は張り手を食らわせてから伊藤にタッチ。伊藤は得意のヒザ十字固めで岩石の足をいたぶり、続くカズもレッグロック。さらに佐山も続いて、岩石の足にダメージを与えていく。
　ローンバトルが続いた岩石は河津落としを放って脱出すると、タッチを受けたアンディがドロップキックにティヘラ。さらにクロスボディを炸裂させて、佐山を追い込んでいく。しかし、佐山もキックで反撃してカズにタッチ。
　カズは髪を振り乱してボディブローを連発。ならばとアンディはカサドーラ式のフェースバスターを繰り出す。そしてタッチを受けた土肥の号令で3人揃ってドロップキックだ。そこに伊藤と佐山が登場。
　土肥の動きを止めると、アンディと岩石を場外に排除。カズも息を吹き返し、ハンドスプリング式レッグラリアット。そしてコーナートップへと上がる。だが、土肥もこれを追いかけ雪崩式ブレーンバスターの体勢に。
　これを阻止したいカズは拳を握って土肥の胸板を殴りつけ、叩き落とす。それでもめげない土肥は再びコーナーを上がると、コーナートップを足場に雪崩式ブレーンバスターを決めてみせる。ここは伊藤と佐山がカットに入るが、岩石が伊藤を払い腰で排除。すぐさまアンディが三角飛び式のプランチャを発射する。
　リング上に残った土肥はカズをラリアットでなぎ倒すと、最後はスーパーひまわりボム。カズから3カウントを奪ってみせた。

土肥＆アンディ＆岩石のコメント
アンディ　見ての通り絶好調。パンテーラに勝って、ヒート、田中稔が偉そうなこと言えないように、俺が叩き潰します。
土肥　佐山、1vs1、いつでもやってやるよ。タッグじゃなくて、1vs1でやってやるよ！
岩石　存分にやってくれましたね、伊藤さん！　いや、たかふみさん！　あなたとはまだあるんだよ。来週の『WRESTLE SOUL』、楽しみで楽しみでしょうがない。あと言いたいこといっぱいある。この前の後楽園で社長が言ってた。せっかくプロレスラーになったんだから、好きにやれって、自由にやれって。自由にやらせてもらいます。言いたいことはいっぱいあるけど、今日はこの辺にしておきます。見とけ、この野郎！

カズ＆伊藤＆佐山＆一のコメント
佐山　タナカ岩石、やり足りないと思っていましたけど、今日次の標的を見つけました。土肥さん！　W-1でもいい、所属した団体のTTTでもいい！　次はシングルでやってくださいよ。今日の借りは絶対返してやるぞ！
伊藤　カズさんといつもの佐山と組んで安心感があったけど、タナカ岩石の顔を見るとちょっと腹立って。来週、カードが組まれているから、パートナーなんか誰でも良くて、すぐに終わらせてやろうと思います。
カズ　やってて楽しいです。こういうふうな……（と、言いかけたところで一が登場）。
一　ちょっとハヤシさん！　2月の後楽園、シングルやるって言ったのに発表されてないじゃないですか？　なんで第1弾のカードに僕とハヤシさんの名前がないんですか？
カズ　発表するから、ちょっと黙っとけよ。
一　お願いします。
カズ　なんだ？　飛んじまった。とりあえず佐山さん、伊藤さん、2人の選手が来てくれたことに熱くなっているのは間違いない。やっていても楽しいし、これからもW-1に期待してほしいです。

『CRUISER FES』1回戦。まずはアレハンドロが加偉の腕を獲って極めていく。これをエルボーで振り払った加偉はボディスラム。さらにストンピングでアレハンドロをいたぶっていく。アレハンドロがコーナースローを切り返しても、反転してのドロップキック。そして、アレハンドロが場外に出たところでプランチャだ。
　これで流れを掴んだ加偉はリングに戻ると逆エビ固めへ。しかし、アレハンドロも極めさせない。そして、エルボーで反撃すると、すぐさまドロップキックで顔面を撃ち抜いてみせる。流れを変えたアレハンドロは低空のDDTで追撃すると、今度はチンロックだ。
　一度加偉が逃げ出すと、今度はヘッドシザース。さらにクロスフェースに移行し、加偉の首に照準を合わせて、ダメージを与えていく。加偉がロープに近づくとラ・マヒストラルから再びフェースロック。さらにキャメルクラッチで思いっきり反り上げていく。
　ここをなんとか脱出した加偉は続くアレハンドロの攻撃をかわしてエルボーアタック。さらに串刺し式ドロップキックを連発してアレハンドロをダウンさせると、バックドロップで追撃だ。そして、逆エビ固めに捕獲した加偉。
　しかし、ロープに逃れたアレハンドロは続く加偉のブレーンバスターを踏ん張ると、突っ込んできたところをショルダースルー。そして、場外に落ちると、すかさずトペ・コンヒーロだ。さらにリングに戻るとミサイルキック、ヒャッホーイで追撃したアレハンドロ。
　だが、加偉もすぐさまカウンターのドロップキックを撃ち返して、アレハンドロの動きを止めてみせる。そしてエルボーの打ち合いから、再びドロップキック。そしてブレーンバスターに投げ飛ばし逆エビ固めだ。アレハンドロが逃げ出そうとすると逆片エビ固めに移行してさらに締め上げる。
　しかし、アレハンドロもなんとかロープエスケープ。セカンドロープで反転してのドロップキックで反撃を開始する。加偉はスモールパッケージ、スクールボーイ、逆さ押さえ込みを連発して3カウントを狙う。
　これをことごとくしのいだアレハンドロは後方から加偉に乗っかり、そのまま前方に一回転しながらスタナー。続けて、コーナートップからの飛びつき式DDTでマットに串刺しにする。それでも3カウントを許さない加偉を逆上がり式のESO ES TODOで仕留めたのだった。

　試合後、マイクを握ったアレハンドロ。加偉の健闘を称えると、「僕は2020年、まさゆきとタッグにもう一度挑戦します。その前に決勝まで残って、僕がクルーザーを巻いて、まさゆきが無差別巻いて、そしてタッグのベルトを巻いて、僕とまさゆきのスカイハイタワーズでW-1のベルトを独占します」と宣言したのだった。

加偉のコメント
「『CRUISER FES』出場を勢いでいけたから、この勢いで突破するって今日の試合に挑みましたけど、この『CRUISER FES』は勢いだけじゃ獲れないんだなって実感しました。でも、言葉が合っているのかわからないけど、やっと僕もここまで来ました。アレハンドロ、想像以上に強かったけど、俺は強いアレハンドロを倒したいから、必ずまたアレハンドロの前に立ちます」

アレハンドロのコメント
「まずは1回戦、突破です！　今日はデビューしたての藤村加偉と試合でしたが、まだまだ予選なんかで闘ったらもったいないですよ。僕は2020年、クルーザーのベルトを（腰を指して）ここに巻きます。そして、まさゆきは僕が無差別に挑戦しに行かせます。そして、僕とまさゆき、スカイハイタワーズはタッグチャンピオンも獲ります。これが目標です。これからもまさゆきとアレハンドロはW-1にドンドン革命を起こす！　ソイ・アレハンドロ！」